■ 業 務 内 容 ■
【目次】
①相続登記②遺言書の作成③相続放棄、遺言執行者、その他相続にまつわる諸手続④不動産登記⑤特別代理人・財産管理人の選任など⑥債務整理・過払金請求⑦訴訟代理・裁判外和解・裁判所提出書類作成など⑧成年後見制度⑨会社・各種法人の設立
■ ①相続登記相続はだれの身にもやがて等しく起こるものです。亡くなられた方(被相続人)が自宅の土地建物や郷里の山林・田畑などを所有していた場合、不動産の名義変更(相続登記)が必要となります。被相続人や相続人の戸籍・印鑑証明などを取得し、相続人全員で遺産分割の協議をしなければなりません。話し合いがまとまれば、遺産分割の協議書等を取りまとめ、法務局に相続登記の申請をします。
・相続登記を怠ると
数十年間にわたり遺産分割の協議をせず、ご両親や祖父母の名義のまま放置されている不動産をときどき目にします。歳月の経過による共同相続人の心変わりや死亡などで相続関係が複雑化し、遠方の家族や見知らぬ大勢の親戚と話し合いをする羽目になり、時には協議がまとまらず調停にもつれ込むケースもあります。最悪の場合、永久に名義変更ができなくなることも。
当事務所でも、2代、3代と相続人が連なり関係者が数十人にのぼるケースや、日本中、果ては世界各地に散らばってしまった相続人全員の承諾を求めて数年がかりの紛争にもつれ込む事案にしばしば直面します。
また、不動産が亡くなった方の名義のままでは、ご親族に生前贈与したり第三者に売却することができず、その不動産を担保に融資を受けられないなどの不都合が生じます。
そればかりでなく、例えば共同相続人のお一人が税金や個人的な借金などを滞納していた場合、債権者が相続人に代わって法定相続分どおりに相続登記をした上で、不動産の持分を差し押さえる手続が民法上認められています。不意に見ず知らずの負債がご自分に降りかかってくることがあるのです。
大切な家族がのちに仲違いしたり路頭に迷うことのないよう、相続登記はできるだけ迅速に済まされることをお勧めします。
■ ②遺言書の作成遺言書を作成しておいた方がいいのだろうか、迷っているというご相談をお聞きすることがあります。遺言書を作るかどうかはご本人の自由意思によることですが、亡くなった後で遺言書が残されていれば・・・と思う事案に遭遇することも少なくありません。
昔と異なり、今は家族のあり方も人それぞれです。籍を入れない事実婚や、法定相続人ではないけれどお世話になった方に財産を残したい場合など遺言書を活用することにより、残されるご家族・近しい方々にあなたの想いを伝える・・・遺言書はそんな役割を果たすこともあります。
遺言書はご自分で作成することもできますが(自筆証書遺言)、法律で定める要件を満たしていなかったり、ご本人の真意や自筆に基づくものでないなどの事情によりせっかくの遺言が無効となり、相続人が困窮する現場を何度も目の当たりにしてきました。
また、自筆証書遺言は一見すると簡便で安価ですが、ご本人の死後、速やかに裁判所の検認を受けることが義務づけられており、結果的に残された方々に、無用の費用と時間をかけて複雑な手続きを強いることとなります。
当事務所では安全で確実な公正証書で遺言を作成することをお勧めしています。詳しくは、ご相談ください。
・次のような場合には、遺言書を作ることが望ましいといえます
自分の死後、配偶者の面倒を見てくれる子どもには自宅不動産を、遠方に住む子どもにはそのぶん預貯金を多めに相続してほしい (遺言がなければ、ご自分の願いに反する遺産分割協議がなされることもありえます)
財産が不動産など、分けにくいものが多い(不動産名義を共有にすると、第2、第3の相続により共有者が無限に広がってゆき、紛争の元となることが多いです)
事実婚のパートナーと暮らしている(内縁の配偶者には、遺言で定めない限り相続権がありません)
子どものいない夫婦で、残される配偶者の生活が心配だ(子どもがいない場合には、配偶者とつき合いの乏しいような兄弟姉妹にも4分の1の相続分が発生します)
事業を経営していて、事業の承継が不安だ(跡継ぎに株式などの会社財産を集中的に相続してもらうことが可能です)
前婚の子どもと、現在の配偶者とその子どもが相続人である(双方の子どもたちが円満に話し合うのは現実的に難しく、争いになる可能性の高いケースといえます)
■ ③相続放棄、遺言執行者、その他相続にまつわる諸手続相続によってプラスの財産を引き継ぐとは限りません。医療費や家賃の未払い、借金や税金の滞納等で心ならずもマイナスの財産(負債)を抱えて逝去される方も珍しくはありません。資産の総額よりも負債のほうが多い場合など、やむなく相続を辞退したいときは、家庭裁判所に対し「相続放棄」の手続きを取ることが可能です。
相続放棄は原則として「相続があったことを知ってから3か月以内」に申し立てる必要がありますので、できるだけ速やかにご相談されることをお勧めしています。
遺言で定めた場合や、被相続人の死後、家庭裁判所に申し立てることにより、「遺言執行者」に預貯金口座の解約払戻しや有価証券・不動産などの名義変更を委ねることができます。相続にまつわる諸手続は、原則として相続人全員で行わなければならないことが多いのですが、遺言執行者が選ばれている場合、それらの手続を遺言執行者に一任できるのです。
相続人がなかなか一堂に会することができない場合や、遺産の内容が複雑であったり各地に散在している場合などは、遺言執行者の制度を活用してみるのもよいかもしれません。
■ ④
不動産登記先に相続登記についてお話しましたが、その他にもさまざまなケースで不動産の名義変更等の登記が必要となることがあります。例えば・・・
①土地を購入または売却した。
②両親から自宅土地建物の生前贈与を受けた。
③建物を新築した。
④住宅ローンを組んだ。あるいは土地建物を担保にお金を借りた。
⑤住宅ローンを完済した。
①と②は所有権移転、③は所有権保存、④は抵当権設定、⑤は抵当権抹消の登記がそれぞれ必要なケースです。
・登記が必要な理由
所有権移転登記(①、②)を怠ると、不動差の所有者が自分であることを第三者に主張できず、二重譲渡により所有権を失う可能性があります。
また、所有権保存登記(③)をしなければ建物の権利者が登記上確定せず、建物を新築したにもかかわらず、これを担保に住宅ローンを組めないという事態に陥ります。また、所有者が確定しなければ、不動産をのちに第三者に名義変更することができません。
抵当権設定登記(④)は、住宅ローンを組む際に借入先の銀行などから融資の条件として必ず求められるものです。将来、住宅ローンを完済したあかつきには、この抵当権を消すための抹消登記(⑤)をすることになります。抵当権が残ったままでは、登記上担保に入ったままの状態となり、新たな融資を受けることができません。また通常、不動産を売却するためには、その前提として抵当権を抹消しておく必要があります。
■ ⑤
特別代理人・財産管理人の選任など財産を処分するにあたって、家庭裁判所の関与が法律上求められるケースが多々あります。
たとえば、後見人は被後見人を、親権者は未成年者をそれぞれ代理して法律行為を行うことができるのが原則です。しかし、お互いの利益が対立する場合や同じ親権に服する2人以上の未成年者の利益が対立する場合、後見人・親権者の代理権が制限されるため、家庭裁判所で代わりの者(特別代理人)を選ぶ必要があります。被後見人の不動産を後見人に譲渡する場合や、親子または2人以上の子がともに遺産分割協議に参加する相続人である場合などがこれにあたります。
また、ある人に相続が開始したものの相続人がいない場合、あるいは、遺産分割協議をするにあたって相続人の一人が行方不明である場合や、行方不明者に対して訴訟を提起したい場合など、相続財産や不在者の財産を管理人する者を家庭裁判所で選ぶ必要があります。
当事務所では、特別代理人・財産管理人の選任申立ての書類作成のほか、事案によっては自ら特別代理人・財産管理人の候補者となって、財産の処分に携わることができます。
■ ⑥債務整理・過払金請求・債務整理の方法
債務の整理には大きく分けて3つの方法があります。
ひとつめは、交渉により利息の支払を免除してもらい、場合によっては元本を減額して一括または分割で返済を行う「任意整理」。ふたつめは、裁判所の監督のもと、総債務額を法律で定める金額まで減額して、その後分割で返済を行う「民事再生」。そして最後に、裁判所の許可を受け、すべての債権者に対する債務を全額免除してもらう「自己破産」です。
・多重債務問題とそれに対する取り組み
開業以来、数多くの多重債務問題にかかわらせていただきましたが、いまだ生活苦や、自営業者の事業不振による自転車操業などを原因とした借金のご相談が後をたちません。
これまでさまざまな境遇におかれた方々の生活再建をお手伝いしてきた経験から、私たちは解決できない借金問題はないと考えています。
しかし同時に、真に恐ろしいのは借金そのものではない。人間関係の亀裂や社会との断絶、働くこと・人と関わること・ひいては生きることそのものへの意欲の低下など、借金に追われる生活を続けていくことによって「人間らしい生き方」を見失うことなのだということも痛切に感じています。
ご依頼者、ときにそのご家族とともに借金の解決に取り組む中で、ふいに親子や兄弟間のわだかまりが解けたり、働きがいや生きがいを取り戻して社会・職場に復帰していく方、身体的・精神的な病を克服される方・・・そんな嬉しい光景に出会えることがあります。
単に借金の問題を解決に導くだけでなく、借金が生み出す生活を破綻させ、人生をむしばむ様々な借金を整理したいけれど手続費用もままならない・・・という方は法テラスの「民事法律扶助」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。収入要件を満たす方については、司法書士費用の立て替えを受けることができ、なお収入の乏しい方については、立替金の返済が全額免除される可能性があります。当事務所は、法テラスとの契約司法書士事務所です。
・過払金請求について
近年、貸金業者を取り締まる法律の大改正があり、15%~20%を超える金利での貸付が事実上不可能となりました。しかし、CMなどで馴染みの深い大手サラ金やクレジット会社さえ、ごく最近まで平然と違法な金利(グレーゾーン金利)での貸し付け、取り立てを行ってきました。払いすぎた利息(過払金)は返還請求する権利があります。以前借入がありすでに完済している方や、現在も借入中で数年前まで高金利での借り入れ、返済を行ってきた方については過払金が発生している可能性があります。過払金は最後の取引日から10年間で時効により消滅します。心あたりのある方は、まずはお気軽にご相談ください。
■ ⑦訴訟代理・裁判外和解・裁判所提出書類作成など司法書士は目的物の価格が140万円を超えない民事事件については、簡易裁判所の訴訟の代理や、裁判外の和解・示談交渉をすることが認められています。また、140万円を超える民事裁判事件についても、本人訴訟の支援として裁判所に提出する書類の作成などにより、依頼者のトラブル解決のサポートができます。相続・家族関係や後見に関する家庭裁判所に提出する書類の作成も行っています。
当事務所が手がけてきた事件には次のようなものがあります。
・滞納家賃の支払い請求、賃貸建物の明け渡し請求など借地借家関係の事件
・過払金返還請求・金融機関からの取立訴訟に対する応訴
・個人間の貸金返還請求
・土地建物の所有権・登記に関する紛争
・相続放棄や遺言書検認、遺産分割調停、などの相続に関する裁判所提出書類作成
・成年後見人選任の申立書類の作成など
■ ⑧
成年後見制度成年後見とは、認知症、知的障がい、精神障がいなどさまざまな理由により、物事を判断する能力が不十分となられた方の権利や大切な財産を守るための支援者を選ぶ制度です。今すぐ支援を必要とされる場合(家庭裁判所に対する法定後見の申立)と、将来に備えてあらかじめ後見人を決めておく場合(公正証書による任意後見契約)があります。
当事務所には、年老いた両親名義の自宅を売却して老後の資金や介護施設の費用に充ててあげたい。
認知症の家族が保険の受取人となっており受取りができない・・・
遺産分割の協議をしたいのだけれど、兄弟の一人が知的障がいを抱えており、話し合いができない・・・
身内がたびたび訪問販売による詐欺に遭っっているので、今後そのようなことのないようにしたい。
配偶者に先立たれて現在一人暮らしだが近くに身寄りがなく今後の生活に不安がある・・・
財産が多く管理が大変だが適切に管理できる身内がいない・・・
など、さまざまな理由で成年後見制度の利用を検討される方がいらっしゃいます。
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会社・各種法人の設立近年の法改正で、類似商号規制や最低資本金制度などが撤廃されたことにより、以前と比べて株式会社が設立しやすくなりました(資本金1円、出資者兼取締役1名で株式会社を設立できます)。 会社設立・起業を考えておられる方や、個人事業を法人化したい方、子会社や関連会社を作りたい方など、株式会社設立を考えておられる方は、是非ご相談下さい。
会社設立については、株式会社以外にも、合同会社の設立、社団法人・財団法人・医療法人・NPO法人など各種法人の設立手続も取り扱っておりますので、お問い合わせ下さい。